昆虫エクスプローラ
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from 園長 『昆虫探検図鑑1600』の中にたった1枚だけ、既に死んでしまっている虫を写した「主役がゾンビ」の写真が混ざっている、と白状して約50日。 「これが、ゾンビでは??」という、みなさんからのゾンビ・チャレンジ、たくさん頂戴しました。 ここで、今一度、候補にあがった虫たちをリストアップしてみましょう。 ・1169 ホホジロアシナガゾウムシ ⇒ 目が白い ・0611 フトハチモドキバエ ⇒ 体の中心が凹んで見えて生き生き感を感じない。手脚の位置がランダム過ぎる ・0937 アカイロテントウ ⇒ 撮影年月日が古い。特徴である体表の細かい毛がはっきり見てとれる。脚が死んだときのように内側にたたまれている ・1392 トホシカメムシ ・0551 ハラボソムシヒキ ⇒ 前足がいかにもゾンビでぶら~んと ・0721 アメリカジガバチ ・0793 オオヒラタエンマムシ ⇒ 特徴の尖ったアゴがよく見えているうえ朽木の表面にいる ・1212 コエゾゼミ ⇒ 特徴の白いダブル模様がはっきりみえているが、足の部分が見えない ・0836 オオトラフハナムグリ(下のほう) ⇒ 後ろ脚が二本とも上がってる ・0963 ミツノゴミムシダマシ ⇒ 腹側に折りたたまれた足が生きてるにしては不自然。名前のツノがよく見えている。よく見たらクモの糸みたいなのもかかっている ・0823 スズキコエンマコガネ ⇒ 左前脚と中脚のフ節が欠けているのに、このとまり方は不自然。触角も伸びていず、なによりも死相が漂っている。糞に集まるなら、汚れているはずだが、汚れを洗い落とした標本個体の可能性がある ・0007 モンキアゲハ (吸水しているのに)たぶんメスだと思うから ・0130 ツマキホソハマキモドキ 色が違う ・1040 シロスジカミキリ 翅のすじは、生きているときは黄色に見えるはず ・0266 キスジシロフタオ ・0069 キベリタテハ ・0496 カブラヤガ ・0328 トラフツバメエダシャク もしかしたら、ほかにもご回答があったかもしれません。漏れていたら申しわけありません。 後半になるにつれて、みなさんの観察眼も研ぎ澄まされ、最後のほうのカブラヤガやトラフツバメエダシャクなどは、撮った私も一瞬不安になるほどのゾンビらしさを醸し出しています(カブラヤガの写真は2個体いるように見えますが、奥の個体はショーウインドウに映った手前の個体の鏡像なので、前の個体もゾンビでないことがわかります)。 しかし、たいへんうれしい…、いや、残念なのですが、ぜんぶ、不正解でした! そして、本日、ついに、ゾンビの正体を明らかにしたいと思います。 それは、2010年9月1日のこと。 東京都内に残る秘境、奥多摩で虫探検していた私は、林道の横にそそり立つ崖の上部で吸蜜する黒い蝶を見つけました。 なんと! あんな蝶が、東京で見られるなんて! しかし、もともと崖地に生息する種類ですから、なかなか降りてきてくれません。 しかも、カメラにつけているレンズは60mmマクロ。 小さくしか入らないし、バックに崖崩れ防止の網も写ってしまって、使えそうな写真がなかなか撮れません。 待っても待ってもダメなので、いったんあきらめ、ほかの虫を探すため、その場をあとにしました。 そして、しばらくして、同じあたりに戻ってみると…。 あっ!!! なんと、地面に横たわるツマジロウラジャノメ(0093)の姿が! あんなに下に降りてこなかったのに、私のいない隙にふらふらと舞い降り、しかも、運悪くめったに通らない地元林業関係の車にぶつかり、絶命してしまっていたのです。 なんでこんなことに!!! あらん限りの声を振り絞り、ツマジロウラジャノメの名を呼び叫んだのは言うまでもありません。舌を噛みそうになったけど。 蝶の亡骸を前に、私は、どうしてもその場を立ち去ることができず、その愛しい姿を永遠に留めるために、悪いことをしてしまいました。 その時、撮ったのが、この写真。 生きている蝶の触角は、決して、このように、ピンとまっすぐに伸びることはありません。多少とも微妙なカーブを描き、生気を宿しています。 そして、翅の鱗粉のかすれ具合。これも、自然に飛び古した場合は、このような擦れ方はしません。 …ということで、よーーーーく見ると、死相が出ているので、きっと最後の最後にはどなたかが当てられるだろうと思っていたのですが、みなさん、ダメでしたねえ。 みなさんの悔しがる顔が目に浮かぶようですが、ゾンビはたったひとつしかいないので、残念ながら、もう、クイズを出すことができません。 やがてそのうち、『幼虫探検図鑑』が出せたら、その時にまた、何かクイズを仕込むようにしますね。再び、ゾンビ探しにするかどうかはわかりませんけど(これから虫探検するときには、ゾンビ幼虫も探しておかなければ…)。 みなさま、たいへんたいへん、お疲れさまでした!!
by aakawabe
| 2014-09-19 18:32
| お知らせ
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Comments(4)
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歩兵くん
at 2014-09-19 22:35
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何度も何度も穴の開くほど見たつもりですが、皆活き活きしていて難しかったです;; 鏡像のほで、肢の踏ん張りを確認できるのですが、こういう固まり方するのもあるのだろうと多寡を括ってエィと決めてしまいました。
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S.S
at 2014-09-19 23:01
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くわぁあっっ!! これは遣られましたっ。。。(かすりもしませんでした)
しかも、ゾンビ写真採用の裏にそんなドラマがあったとは! 嗚呼、ツマジロウラジャノメッ(3回繰り返せば早口言葉ですな) 得がたき出会いのその後に、こと切れた命。 これはやはり、立ち去れませんよねぇ、、お気持ち分かります。。 もしかしたら最後の雄姿を後世に残すために(大げさ?)、園長さんの前に舞い降りてきてくれたのかも。図鑑に載り、全国の虫好きさんの心に残るわけですから、ある意味、大往生ではないでしょうか!?
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園長
at 2014-09-20 15:10
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歩兵くんさん、鏡像ということにお気づきだったのですね。あのカブラヤガを大阪のメインストリート御堂筋で見つけたとき、全体の雰囲気から、私も死んでいると思ってスルーしかけたのでした。
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園長
at 2014-09-20 15:15
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S.S.さん、このようにあらためて記事にすると、4年前のあの時の残念さが蘇って来てしまいます。自分の姿が、こんなに見ていただけているとは、あのツマジロウラジャノメにとってはまったくの想定外でしょうね。
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